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リベラルアーツでは その3(看護コース向け)

リベラルアーツでの学習内容についてのアクセスが多いため、
もう少し詳しく書いてみることにします。数学の学習内容についてです。


1 なぜ、リベラルアーツでは数学が必修なのか?

 たしかに、数学が苦手で、英語と国語だけに特化して看護学校を受験するという選択肢はあると思います。そして実際に今年度の浦添看護学校の入試で合格された方を存じ上げています。どのような戦略で受験するかは、最終的には、「受験生個人個人の自由」となります。

 しかし。何が何でも看護師になりたい、というのが最終目標であれば、受験可能性を減らすことは得策ではありません。数学を回避することで3校受験が不可能になってしまいます。

 数学を学習することのメリットは、さらに、「順序立てて考えたり、ものごとの優先順位を決定する力」「論理思考力(同じ考え方をすれば、誰もが同じ結論にたどり着けるという道筋をたどりながら、考えられる力)」を養えることにあります。医学や看護が「おまじない」ではなく、科学である以上、優先順位を決めることやだれにでもわかりやすく説明できる力は絶対に必要だと考えています。

2 数学が苦手である原因
 
 ひとつは、小学校時代の算数の学習にあると考えられます。小学校1・2年生では具体物(りんごやみかん)を用いてなじみのある内容を学びます。ところが、3年生からは身の回りにない抽象概念が数多く登場します。少数や分数の意味、不等号と数直線、交換・結合・分配法則、分数の加法・減法。
 論理的思考の基盤をつくる教育がここで始まるわけです。ところが、これは供給側である学校の事情ではあるのですが、3・4年生には学習指導力や生活指導力が弱かったり、新任の先生が担当することが多いようです。
 小学校3・4年生の大切な時期に、算数のインプットをしっかりと行わないままで中学校に入ってしまえば、その後どのようなことになるかは明らかでしょう。この段階でつまづいてしまえば、一生数的な能力は養えないのか?そのようなことはありません。そもそも数学や算数は、「誰もが、同じ考え方をすれば同じ結果にたどりつけるものの考え方」なのです。どこでつまづいているかを見極め、さかのぼって学習することが大切です。

3 慣れることと意味を理解すること

 数学の学習にあたっては、教科書レベルの問題をくりかえし解きます。このことによって新しい学習内容に慣れ、苦手意識を克服することができます。同時に、なぜこのような計算をするのか、という「意味」をしっかりと学んでいきます。
 数学は問題解決のための技術です。ある問題を解決するのに必要な手段は何かを理解することはとても大事です。DIYで、のこぎりを使うとき、かんなを使うとき、やすりをつかうとき、を間違えてしまっては作りたいものが作れません。のこぎりにはのこぎりの用途というものがあります。同じように、二次方程式や二次関数、三角比にも意味があるわけです。公式にはどのような意味があるのかを理解しておくことで、記憶がしやすくなります。

4 定期試験とは違う「受験勉強」をする

 リベラルアーツでは、夏まで、数学1・Aの学習内容を細かく分けて、「慣れる」ことをメインに学習していきます。月の終わりには確認のためのマンスリーテストを行い、定着ができているかを確認します。高校での「範囲のある」定期テストのようなものです。
 ただ、これだけでは残念ながら看護学校に合格することはできません。本番の試験ではどの単元の問題なのか、自力で考えなければいけないからです。2次関数の最大や最小値の問題なのか。余弦定理や正弦定理を使う問題なのか。「何について聞かれているのか」の見極めを行わなければいけない、というのが数学のむずかしさといえるでしょう。
 リベラルアーツの数学では、細かい学習単元を学ぶ時から、学習内容の「意味」を大切にする授業を行います。これは、上記のような問題解決能力を養う基礎だと考えるからです。
 さらに、秋からの過去問演習で「何について聞かれているのか」を見極める力をつける授業を行います。範囲のある定期試験とは違う頭の使い方を学んでいくのです。





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